て
川内(かわうち)村に位置し、草野心平の蔵書が多数格納されている施設。草野心平(くさのしんぺい 1903-1988)は福島県いわき市出身の詩人で、蛙を主題にした詩を多く作ったことから「蛙の詩人」と称される。川内村の平伏沼がモリアオガエルの繁殖地として国の天然記念物の指定を受けていることから、草野は1956年に初めて川内を訪れた。以後、度々同地を訪ね、村人たちと交流を続ける。1960年、名誉村民になったのをきっかけに、草野の蔵書3,000冊が村に寄贈され、文庫の建設が決定した。草野の友人である建築家の山本勝巳が設計を担当し、村人たちの手により建設が進められ、1966年7月16日に落成した。建物は茅葺屋根の民家風。玄関の「天山」の扁額は、故川端康成の書。心平の創作場所のひとつとして愛用され、また村民との交流の場として祭りが催された。その名残で毎年7月に、草野を偲び「天山祭り」が行われている。
天神岬スポーツ公園(てんじんみさきすぽーつこうえん)
楢葉町
楢葉町にある公園・キャンプ場・日帰り温泉・宿泊施設等が一体となった複合施設。太平洋が一望できる見晴台や遊具をはじめ、レンタサイクル等も利用でき、特に天神岬温泉「しおかぜ荘」は日帰り温泉もできるため、キャンプ客をはじめとした多様な世代で賑わっている。また、宿泊施設サイクリングターミナル「展望の宿天神」は全室オーシャンビューで、大人数で宿泊ができる岬ロッジやコテージも備えているため、グループでの利用も可能。公園内には大型犬・小型犬でゾーン分けがされた無料のドックランがあり、愛犬家にも親しまれている。
と
正式名称は、一般社団法人とみおかワインドメーヌ。海とともにある富岡町ならではの魚をはじめとする地元産の食材との調和(マリアージュ)と、何度でも訪れたくなる豊かな自然風土の環境形成(テロワール)の両立を目指し、ワインを核とした新たなまちづくりと、新しい農業への取り組みを目指す団体。県内方々に避難する町民有志10名で、2016年3月より試験的に始めた「とみおかワインブドウ栽培クラブ」の活動は、今では40名を超える会員を有するほどに葡萄と共に成長しており、県内外から参加する多数のボランティアコミュニティにも支えられている。
2020年には富岡駅東側に約0.2haの新規圃場を開設し、アルバリーニョ(白)を中心に約400本の苗木を植え付けており、今後はこの駅前圃場を拡張し本格事業を展開する見込みである。
2021年7月オープンした、震災と原子力災害による富岡町の様子を後世に伝えるアーカイブ施設。震災発生時の初期対応や原子力災害及び全町避難の際の、町の様子を当時の資料や町民の日記などを通じて丁寧に伝えている。また、 地域の自然や民俗などをパネルや展示物、映像やプロジェクションマッピングなどで紹介しており、震災を町の歴史の一部として位置づけ、それによる地域や町民の暮らしがどのように変化したか、わかりやすく展示されている。特に、町民の避難誘導にあたり被災したパトカーや、駅の改札など、貴重な震災遺産とともに、津波の脅威を後世に伝える役割も果たす。