ま
「松川浦」は相馬市原釜と磯部の間にある福島県唯一の潟湖。磯部より鵜の尾岬までの砂州(さす)により河口部の入り江がせきとめられてできた。南北の長さ約7キロメートル、最大幅約1.5キロメートル、最大水深約5.5メートル、面積738ヘクタール。海水と真水が混合した低塩分の汽水湖。浦内には大小いくつかの島々が点在し、「小松島」と言われる景勝地で、現在10数島の島が確認されている。その景観の美しさから日本百景に選定されており、松川浦県立自然公園に指定されている。江戸時代には相馬中村藩主の行楽地とされており、万葉集にもうたわれている。江戸時代から相馬藩によって塩田が開発されていたが1905年(明治38年)に廃止。入り江の入り口内側は松川浦漁港のひとつ原釜漁港、浦内最南部に磯部漁港がある。春から夏にかけては潮干狩りが行われ、海苔の養殖が盛んである。東日本大震災による津波で被災。
む
旧常葉町(現田村市常葉町)に1989年に開園した、昆虫の観察施設。田村市は、広葉樹の腐葉土にカブトムシの幼虫などが多く生息し、レアなミヤマクワガタも捕れる。「日本で唯一の虫の楽園」を謳う昆虫のテーマパークとして人気を博し、自然に近い状態でカブトムシと直接触れ合える夏季限定のカブトムシドームや、昆虫標本を展示してあるカブト屋敷の他、バーベキュー施設、宿泊施設を備える。2022年に「昆虫の聖地」を宣言して昆虫を通じたまちおこしに力を入れ、「全国クワガタサミット」の開催などによる「昆虫の聖地」宣言を発表。2023年には、田村市の呼びかけにより、昆虫を核として自治体が連携して観光振興に取り組む「昆虫の聖地協議会」が発足し、全国15市町村が参加するなど、昆虫ブームを牽引する拠点でもある。ちなみに田村市のゆるキャラ「カブトンファミリー」の父親である「カブトン」は、田村市合併前、旧常葉町が昭和63年に「カブトムシ自然王国」として独立を宣言したことを契機に、仲間がたくさんいる常葉町に「ビートル64星雲」から移住したとされる。